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国連気候変動枠組条約締約国会議
持続可能なアジェンダ2030

国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)

気候変動枠組条約から京都議定書へ

1992年の地球サミット(国連環境開発会議)で採択された「気候変動枠組条約」の締約国により、温室効果ガス排出削減策等を協議する会議。条約に関する最高決定機関であり95年の第1回会議(COP1、ベルリン)以来、毎年開催されている。

1997年のCOP3は京都で行われ、2012年までの各国の具体的な温室効果ガス排出削減目標を課した「京都議定書」(Kyoto protocol)が採択された。1999年のCOP5(開催地:ボン、ドイツ)では、1992年の地球サミットから10年目にあたるヨハネスブルグ・サミット開催期間中の京都議定書発効を目指す呼びかけが起こったが、その後、大統領就任直後のブッシュ米大統領(当時)が京都議定書交渉からの離脱を宣言し、オーストラリアも京都議定書を締結しないと表明したことで、締結国数の不足により発効が遅れた。ロシアの議定書締結(2004年)を経て、2005年に発効。

京都議定書の締結国は、183カ国と1地域(EU)(2009年1月14日現在)。日本は、2008年から5年間で温室効果ガス排出量を6%(対90年比)削減する内容で、1998年に署名、2002年に締結した。

気候変動枠組条約(正式名称「気候変動に関する国際連合枠組条約」、United Nations Framework Convention on Climate Change / UNFCCC)の締約国は現在、12年に期限を迎える京都議定書に続く新たな国際的温暖化ガス削減目標(「ポスト京都議定書(Post-Kyoto Protocol)」)を協議中で、2009年12月にデンマークの首都コペンハーゲンで行われる予定のCOP15での合意を目指している。

2007年にオーストラリアが京都議定書の批准を宣言したことにより、先進国のうちで京都議定書を締結していないのは米国だけになった。オバマ新大統領は、京都議定書への復帰は見送ったものの、ポスト京都での国際協調を約束しており、COP15に世界の関心と期待が集まっている。

ラムサール条約

自然保護を目的とする最初の国際条約。正式名称「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。国際湿地条約,水鳥湿地保全条約ともいう。1971年イランのラムサールで採択された。締約国は,渡り鳥などの水鳥の生息地として重要な湿地を登録し,その保全をはかることを義務づけられる。

1974年オーストラリア北部ノーザンテリトリーのコーバーグ半島が重要な湿地として初めて登録され,2018年10月現在締約国数は 170,登録湿地数は 2331で,総面積約 250万km2に上る。

日本は 1980年に加盟,タンチョウの生息地である北海道の釧路湿原(1980。→釧路湿原国立公園)を皮切りに,1985年に宮城県の伊豆沼・内沼,1989年に北海道のクッチャロ湖,1991年に北海道のウトナイ湖が登録された。1993年には釧路市で第5回締約国会議が開かれ,新たに北海道の霧多布湿原,厚岸湖・別寒辺牛湿原,千葉県の谷津干潟,石川県の片野鴨池,滋賀県の琵琶湖の 5ヵ所が追加された。2018年10月現在の日本の登録湿地は 52ヵ所。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ワシントン条約

国際取引によって生存を脅かされている野生動植物の保護を目的とする条約。正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)。略称CITES(サイテス)。この条約は、1973年にワシントンで開かれた国際会議で採択されたために「ワシントン条約」とよばれる。発効は1975年。当時の日本は世界有数の野生動植物とその加工品の輸入国であったため早期加入が求められていたが、国内法の整備に時間がかかり、1980年(昭和55)に60番目の締結国となった。2013年時点で、締結国は178か国。

 

絶滅の危機に瀕(ひん)しているにもかかわらず野生動植物あるいはそれらを加工した製品の売買は、世界的に増える傾向にある。野放図(のほうず)な乱獲や過剰とも思える取引は野生から動物や植物を次々と減らしていく。ワシントン条約は国際的取引を規制することによって、野生生物を絶滅からあるいは絶滅のおそれから守ろうとする国際条約である。絶滅の程度の高いものから付属書の形で、、に分けられ、文中で具体的に規制する種を細かく定め、輸出入を規制している。

 

付属書は、事実上輸出入の取引ができない厳しいものだが、締結国は特定の動物や植物について留保すれば、その種に限り条約非締結として除外扱いされる。日本は、2013年(平成25)時点で、付属書のクジラ7種と付属書のサメなど9種が留保扱いとなっている。留保という抜け穴によって、本来商取引が禁じられている種の取引であっても例外扱いとなる。これにより、国内の利益のために留保を継続し、条約によって保護されている原産国の種の自然保護政策をないがしろにしてしまうおそれがある。留保はワシントン条約にみられる諸問題のなかでもっとも深刻なものとしていまも残っている。

 

また、ワシントン条約や外国為替(かわせ)及び外国貿易法(外為(がいため)法)などによる輸出入の取引規制だけでは、不法に取引されたものについての国内流通は規制できないという問題がある。このため、国内での売買を規制(禁止)する希少野生動植物の国内での取引の規制法(譲渡法。正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律」)が制定され、1987年(昭和62)に施行された。その後譲渡の規制に関する法律は改められ、1992年(平成4)に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)が成立した。譲渡法は種の保存法のなかに吸収された。

 

この法律では、「野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることに鑑(かんが)み、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする」と、野生生物がいかに大切であるかが書かれている。そして「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための総合的な施策を策定し、及び実施するものとする」とも書かれているので、「ワシントン条約」とこの「種の保存法」とで、多くの人たちが野生生物の種は、これまで以上に守られると期待した。

 

種の保存法では、日本国内で絶滅のおそれのある、それぞれの種を具体的に指定し、そのうえで捕獲、譲渡、輸出入にかかわることを規制した。種の保存法は、指定された野生生物の種の生息地の開発などを含め、譲渡法よりいっそう広い範囲をカバーする法律となっている。それらについては生きた動植物だけではなく、剥製(はくせい)や標本、鳥類の卵も規制の対象となる。また規制に違反した場合には罰則が課せられる。

 

条約の付属書には、かならずしも絶滅のおそれの大きくない種までも加えられているため、それらを規制するのはおかしいという議論も起こっている。しかし、絶滅のおそれのある種に限らず「絶滅予備軍」の種も規制の対象としてこそ保護の有効性は増すと主張する国々もある。付属書に新たに加えられたり、削除される種のそれぞれについては、2年に一度開かれる締結国会議で討議されていく。

 

付属書に記載されている種の捕獲、譲渡、輸出入の禁止あるいは規制の強化で、野生動植物の保護を図るだけでなく、条約の主旨に沿い、種の保全と持続可能な利用(サスティナブル・ユース)までを図りながら、絶滅の危機が回避された種や増加している個体群の利用についての意見調整をするのも、締結国会議の重要な役割となっている。

 

またそのうえに、この会議の特色の一つは、非政府組織(NGO)の自然保護団体が参加できることにある。その一つにトラフィックTRAFFIC(野生動植物国際取引調査記録特別委員会the wildlife trade monitoring network)がある。トラフィックは、野生の動物や植物およびそれらを原料とする製品の国際取引に目を光らせモニター(勧告)するための国際的なネットワークで、ワシントン条約の全体を知ることができる組織である。本部はイギリスに置かれ、世界各地に26のオフィスがある。WWF(世界自然保護基金)とIUCN(国際自然保護連合)とは不即不離の関係にあり、国際取引の統計データを検証し、取引の動向をつかみ分析し、政府や民間機関への報告書をつくる。条約に違反する密輸品を洗い悪徳業者をマークする、いわゆるワシントン条約のGメンの役割を担っている。ワシントン条約をめぐる、表に現れにくいさまざまな事柄を、たてまえでなく、保護に関する実態を追求していくことにトラフィックの意義はある。

 

ワシントン条約は政府間の条約であるにもかかわらず、トラフィックをはじめ環境保護団体の締結国会議への参加と発言が認められている。その種を規制し、付属書のからへと規制を緩めるか、からへ規制を強めるかなどを締結国会議で決めるとき、トラフィックは議決権はないが発言できる。そこに市民レベルの声が反映され、表決にも大きな影響力をもってくる。[加瀬信雄氏]

アフリカゾウ問題

1989年の会議ではアフリカゾウが付属書の種からに格上げされた。当初南部アフリカ諸国(ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア)はアフリカゾウを自国の自然経済資源だとする立場から許可制取引の付属書を主張し、一方で欧米諸国は付属書への格上げの主張を繰り返した。両案とも否決され議案は暗礁に乗り上げてしまった。結局アフリカゾウは付属書の動物とするが、絶滅の危機の少ない地域個体群については将来付属書に戻すための特別な検討方法を、次回会議までに確立することで提案は決着された。その結果、1992年の京都会議において、アフリカゾウは持続可能な利用を図るに足る個体群であり、象牙(ぞうげ)の取引などを通じて密猟防止その他にかかる費用を得なければ保護はできないと南部アフリカ諸国は主張し、条約締結に際しアフリカゾウを留保した。このため、地上最大の動物アフリカゾウを自然保護のシンボルとして、取引は全面禁止で当然とする欧米諸国は激しく反発した。また、南部アフリカ諸国はアフリカゾウを付属書からへ格下げするよう要求、提案したが、採択は見送られ、現状維持となった。しかし、1997年のハラレ会議では、京都会議に続き懸案であったこの問題を、付属書のからへと移し、規制の厳しさを減らすことで解決した。そして限定的だが象牙の取引は再開されることになった。

 

持続可能な利用を図りながら条約を遵守する。そのうえで生態系と野生生物を守るためには、この条約に限界があることをアフリカゾウは問題提起しているといえる。[加瀬信雄氏]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

ロッテルダム条約

有害化学物質のPIC(Prior Informed Consent=情報提供に基づく事前同意)に関する条約。正式名称は「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質および駆除剤についての事前の情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約Rotterdam Convention on the Prior Informed Consent Procedure for Certain Hazardous Chemicals and Pesticides in International Trade」であり、PIC条約ともよばれる。先進各国において使用禁止となっている農薬などが開発途上国へ輸出され、使用されている現状に対処するため、1998年9月にオランダのロッテルダムで採択、署名された。

 

この条約は、消費者および労働者を含む人類の健康とともに環境を保護することを目的としており、入用とする化学物質と管理不能な化学物質を輸入国が決定できるようにするために、PIC制度が定められている。この条約の対象とされている物質は、2,4,5-T、アルドリン、カプタホル、クロルデン、DDT、EDB(1,2-ジブロモエタン)、HCH(ヘキサクロロシクロヘキサン)、HCB(ヘキサクロロベンゼン)、水銀化合物、リンデン、パラチオンなどの駆除剤24種、メタミドホス、ホスファミドン、メチルパラチオンなど著しく有害な駆除用製剤4種、また、アスベスト(石綿)5種を含む、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、PCT(ポリ塩化ターフェニル)など11種の工業用化学物質が付属書に掲載されている。

 

輸出国は、自国で禁止または厳格制限されている化学物質の輸出について通報する義務がある。この通報は、最初の輸出の前に行われなければならず、その後も毎年、最初の輸出について繰り返さなければならない。また締約国は、条約上必要とされる措置を国内で実施する義務を有し、商業輸出および輸出業者を規制管理するための取締体制を整備しなければならない。[磯崎博司氏]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

砂漠化対処条約

国連環境計画 UNEPが 1990年2月に採択した定義によると,世界の乾燥地域,半乾燥地域および半湿潤地域における人間活動による悪影響に起因する土地の生産力の低下現象をいう。アフリカでは干魃,食糧生産力の増加を上回る人口増加を背景とした過耕作・過放牧・薪炭材の過剰伐採によって砂漠化が引き起こされ,農業生産力の低下,飢餓・栄養不足人口の増加,薪炭エネルギーの供給不足などの深刻な被害をもたらしている。

砂漠化の原因としては,気候の乾燥化という自然的要因と,許容限度をこえた人間活動による人為的要因とが考えられるが,地域住民の貧困と人口増加も背景にあり,問題をより複雑にしている。このため砂漠化を防止するには,雨水の有効利用,家畜増頭の抑制や造林による生態系の維持・保全といった直接的な対策とあわせて,人口・食糧・エネルギーなどの問題を総合的に解決していくことが重要である。こうした地球規模の環境問題に対処するため,1992年6月の環境と開発に関する国連会議において,21世紀へ向けての行動計画アジェンダ21が採択された。

このなかで早急に砂漠化対処条約の策定が求められ,政府間交渉委員会が設置された。1994年6月,第5回交渉委員会において,砂漠化対処条約(深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国〈特にアフリカの国〉において砂漠化に対処するための国際連合条約 UNCCD)が採択され,1996年12月に発効した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

腐敗防止条約

公私の混同により公権力が私的利益のために乱用されて生ずる政治的不正。猟官 (→猟官制 ) ,贈収賄,疑獄などがこの例にあたる。政治権力が少数者や特権層に把握されていた封建時代や絶対王制時代においては,政治的腐敗は不可避の現象であった。政治権力が理念として国民の同意にその正統性を獲得しなければならない近代市民社会になって,政治的腐敗の防止のための諸規定が諸法令のなかに現れ,多少ともこれが抑止されるようになった。しかしこのような法的整備がなされても,資本主義社会であれ社会主義社会であれ,体制の相違をこえて政治的腐敗が存在するという事実は,権力を実質的に把持している集団に対する国民の不断の監視が必要であることを示している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典